偽りの甘い罠
そんな気の置けない仲間たちに、偽りの彼女なんて
紹介していいのだろうか

嘘をついて、青柳は心が痛まないの?

今までの人達とは全然違うのに、、、

罪悪感が荒波のように押し寄せて、居たたまれなくなる

チラッと青柳を見ると、何を気にするでもなく
普段通りの顔で会話を楽しんでる

「で、どっちから?」

前触れもなく、突然振られてなんのことだと目を
パチクリさせてる私とは反対に、青柳は毅然とした態度
だった

「俺に決まってんだろ。入社当時から俺のこと天敵
だの、面倒なやつだのって、あしらっててさ。
でも、何とかしてこっち向かせようと、必死だった」

「へぇー。あのモテモテで女に困らなかったお前が、
一人の女にそこまで執着するとはなー。」

これは本心、、、じゃないよね?
まぁ、途中までは事実だろうけど、、、



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