偽りの甘い罠
ビールを水のようにグビグビとあおる。

私はその喉仏を呆気に取られて見ていた

「紗英ちゃんは、匠のことどう思ってるの?」

いきなり、紗英ちゃんと呼ばれたことに戸惑いつつも、
なんと答えればいいのか、すぐに口を動かせなかった

「あ、私は、、」
「好かれてはないだろうけどな。まぁ、俺が無理矢理
頼み込んだようなもんだし。」

私の言葉に被せるように青柳が割って入った

すべて事前に用意していたかのような台詞。

聞かれることを想定していたんだろうか。


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