偽りの甘い罠
みんなとラインの交換もしてから店を出る

すごくいい人達だったから、尚更後ろめたい

本当に偽ったままでいいのかな、、、

「ねー、青柳、ものすごく悪いことしてる感じが
拭えないんだけど、、、」

赤提灯にまた行こうと、歩を進めながら並んでる
青柳を見上げた

月明かりに照らされて、春の風が沸き上がった酔いを
一気に掠め取ってくれる

「じゃあ、、、、偽わらなきゃいいんじゃないのか」
「帳消しにするってこと?」
「んなことするか。事実にすればいいってことだ」
「事実って、、、は?」
「ぷっ。なんだよ、その間抜け面。」

俺はいつでもいいけど?

そう、冗談めかしたように笑った。




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