偽りの甘い罠
私は息つく隙もないほどに、マシンガントークを炸裂
させた。

悔しくて釈然としないモヤモヤを、どこへどうぶつけ
たらいいのか、海の浮遊物みたいにその感情の
行き先はない。

だけど、青柳はひとつひとつ丁寧に拾い上げて、
綻びのないように手中へ収めた

本当にムカつく位、パーフェクトな男だ

「もったいないね。」
「なにが?」
「青柳が彼女作らないことが。作ればいいのに。
ちゃんと本命のさ」
「お前、喧嘩売ってんのか?」
「なんでよ。率直な感想を述べただけ。
気遣いも優しさも完璧で、まぁ、口は悪いけどさ。
でも、いいやつなのになーと思って。」

なにが気に障ったのか、不機嫌MAXになった。

背後にメラメラと怒りの炎が見え隠れする。


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