偽りの甘い罠
そんなお風呂のせいと、青柳のせいで逆上せた身体を
鎮めるようにベッドへ倒れ込んだ

冷たいシーツが気持ちいい。

眠ろうと瞼を閉じた途端に、部屋のチャイムが静寂を
破った。

ドンドンドンドン、何度も叩きつけられるドア

無意識に身体が硬直した

モニターに映るのは鬼のような形相の雅人さん

どうして?バレたら大変だからと、寮に来ることは
一度たりともなかったのに。

なんで来るの?

出たくない。

嫌だ。

会いたくない。

お願い、今夜だけは、、、

今夜だけは、、、

青柳に、抱きしめられた温もりのままで眠りたい

だけど、そんな願いは一瞬にして奪われる

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