偽りの甘い罠
会うときは必ず、離れた場所に行く
だから、ラーメン屋さんも寮からは車で一時間だ

そして、愛し合う場所も、、、

「雅人さん、、、」
「紗英、愛してる」
「私も、愛してる、雅人さん、、、」

真っ白なシーツ、動く度に軋むスプリングベッド
間接照明は二人の扇情をこれ見よがしに煽る

露になった肌をしなやかな指先が弾むように
撫で上げる

絡めとられた指に力が入ると
敏感な私を何度も攻めつく身体は、汗が滲んで
しっとりとしていた

「紗英、、、っ」

私の名前を呼ぶと、歪んだ表情と共に力なく果てた

私を腕の中に収めると、頭上にキスを落とす
肌と肌が密着するこの時間がたまらなく好き




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