死にたい女
「君はよくやってくれているよ。」
男は、眼鏡を外しながら言った。
「君が産んだ子は、この薬で君の血やDNAを破壊する。
そうして、『ショップ』で『買った』親のDNAを、子どもに投与する。」
「ショップ…?」
地下室に幽閉されている女は、地上で何が行われているかを知らない。
「ああ、君が産んだ子どもを売る、ペットショップのような店だよ。お陰さまで繁盛してるよ。」
カッ!女の瞳が大きく開いた。
「ヒッ…!!」
男が尻餅をついて後退する。
「知ってるか…?私が何故、人里離れた森で暮らしていたのか…。」
野太い声で、男にゆっくりと近付いていく。
「近くに居ると、人間を喰ってしまうからだよ…。」
グチャッ‥
「うぁああぁぁああ…!!!」
【END】