叶わなくてもいいから、恋したい。
声が聞こえた方を見ると、親父がいた。

「てめぇ、西牧に何言ってんだよ!」

親父の胸ぐらを掴んだ。

「乱暴はよしなさい。」

「お前のやってることは汚ぇんだよ!」

「中学生のうちから彼女をつくるなんて事、許されると思っているのか!」

別にいいだろ!

彼女がいてもおかしくない歳だっつーの!

「大体、頭が古いんだよ!」

「親に向かって、なんという口の聞き方だ!」

言い合いをしていると、西牧が言いにくそうに声をかけた。

「あの。場所移しません?」

周りを見ると、通っていく人々がこっちを見ることに気がついた。
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