叶わなくてもいいから、恋したい。
「ごめん。遅れて。」

西牧の学校の校門前に行くと、あいつは本を読んで待っていた。

「あ、いいよ。全然。」

「行こっか。」

「うん。」

今日は俺んちで勉強することにした。

親父がいないことを祈って。

ひかりとか、母さんとかもいないと思うし。

多分、大丈夫。
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