叶わなくてもいいから、恋したい。
家に帰ると清汰がソファーに座っていた。

「あ………」

「おかえり。」

あんたの家じゃないんだけど。

いつもは突っ込むのにそんな元気はなかった。

さすがにおかしく思ったのか、清汰が心配してくれた。

「おい、どうしたんだよ。」

「なんでもないの。」

そのまま、自分の部屋へ行こうとすると止められた。

「佐川か?」

やっぱりお見通しなのか。

「うん………」

涙が出てきた。

清汰は優しい。

こんな優しい幼なじみがいて良かった。
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