叶わなくてもいいから、恋したい。
「佐川にはね、好きだった人がいるの。」

自分でこんな話をするのは嫌だった。

けど、言葉がスラスラと出てきて自然と話せた。

一生懸命に今まで思ってたことを話せていた。

話せば話すほど心が楽になった。

ポロポロと溢れる言葉を繋いでいった。

伝わりにくいところもあったと思う。

だけど、清汰はしっかり受け止めてくれた。

「私、どうすればいいの。」

そう問いかけると清汰は抱きしめてきた。

「清汰………?」

「俺はりかが幸せになるのなら、自分の気持ちを殺してもいいと思ってた。けど、今のりかは幸せそうじゃない。」

まっすぐ目を見てきた。

「小さい時からずっと好きだ。」

え?

清汰が私を………?

「突然言われても困るよな。」

困るよ。

「でも、好きなんだ。」

そうだったの。。。。

全く気づかなかった。
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