叶わなくてもいいから、恋したい。
近くにあった模擬店のお好み焼きを買った。

野菜たっぷりで特製ソースがかかったお好み焼きは美味しかった。

「おいし~!」

「あ、口にソース付いてる。」

「うそ。どこに?」

「右。」

「こっち?」

「ここ。」

清汰はティッシュを取り出し、口を拭いてくれた。

「ありがとう。」

「ど、どういたしまして!」

どことなく、清汰の顔は赤く染まっていた。

「りか。俺、佐川に負けないから覚えといて。」

「うん?」

そんなに試合で負けたこと気にしてたんだ。

「それにしても、試合のこと根に持ってたんだね。」

「はぁ?」

「違った?」

「い、色々だよっ。」

「ふーん。」

色々ってなんなんだろうな。

聞くのはまた後にしよう。
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