叶わなくてもいいから、恋したい。
それから何度か翔輝と会ったりして、いつ遊びに行くか決めた。

とりあえず、花火大会は行くでしょ。

あと、プール、遊園地とかに行けたらいいな。

今日は花火大会のことを決めていた。

「何時集合がいいかな?」

「んー。六時半とかは?」

「いいね!」

などとすんなり決まっていった。

「ところでさ。志望校どこにした?」

いきなりだった。

本当にいきなり。

その前までは普通に花火大会のことを話していたのに。

「偏差値が高いところには行きたいんだよね。」

そう返事をした。

翔輝もそう思っているに違いないと思って。

「俺さ、ちょっと遠い高校を受験しようと思ってるんだ。」

遠く?

せっかく、翔輝と同じ学校に通えるのかなと思って期待してたのに。

しかも、近くじゃなくて遠くだよ。

遠くってどれぐらい?

そんなことが頭の中をぐるぐるした。
< 277 / 313 >

この作品をシェア

pagetop