叶わなくてもいいから、恋したい。
我に返ると、じわじわと照れてきた。

「え、あーと………」

二人ともしどろもどろしている。

こんなのしたこと無かったから、余計どうしていいか分からなくなった。

「はっ、花火終わったな。」

今、明らかに翔輝の声が裏返った。

「そっ、そうだね!」

わざとらしく明るく言ってみた。

でも、やっぱり声は裏返ってしまう。

「送ってくよ。」

恋人つなぎをした。

初めてじゃないのに、なんだか照れくさかった。
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