叶わなくてもいいから、恋したい。
りかside

八月二十八日の夕方、近所のお寺に突然呼び出された。

どうしたんだろう。

鳥居の前で待っていると翔輝が来た。

「わりぃ、遅くなって。」

「いいよ、全然。」

翔輝の手には何やら荷物が………

なんか、大荷物…………?

何かあるのかな?

「目ぇ閉じて。」

言われたまま、目を閉じるとガチャガチャという音が聞こえた。

何?この音?

紙袋、と箱?

我ながら耳がいいと思う。

合ってるかは別として。

「開けていいよ。」

ゆっくり目を開けるとそこには箱のテーブルと小さなケーキがあった。

「も、もしかして…………」
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