叶わなくてもいいから、恋したい。
いつものように塾に行った。

「佐川。」

「ん?」

もしかして、声に出してた?

きゃあ!!!!!

考えてたら自然に。

「なんでもない。」

いやぁ。恥ずかしい。。。

「俺のこと考えてたの?」

「なっ!違うし。」

「じゃあ、何で俺の名前言ったのかなぁ?」

「あれは………」

完全に遊ばれてるな。

「な、なんでもいいでしょ!」

「はいはい。俺のことが好きってことだろ。」

「なんでそうなるのよ!!」

言い合いをしていると椎名ちゃんが呆れていた。

「あんた達、仲いいわね。」

「どこがいいの。悪いじゃん。」

「そうだぞ。」

「皆、席つけ。」

先生の声で一斉に席に着いた。

自分の席に座るとこの前まではいなかった子がいた。

髪が長くてさらさらでちょっとくせ毛。

まつ毛が長くてくるんとしていてとっても可愛かった。

この子、どこかで。

そんな事を思っていたのはつかの間。


休み時間、クラス中に衝撃が走ったのだった。


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