叶わなくてもいいから、恋したい。
キーンコーンカーンコーン

雨降ってる。傘持ってないや。どうしよ。

「椎名ちゃ……」

あ、そっか。椎名ちゃんは文化祭の実行委員だった。

一緒に帰れないなら、借りられないか。

清汰は部活か。

ホントにどうしよ。

外がざわついているのに気がついた。

何かな?

「あの人カッコよくない!?」
「誰かな?」
「そういえば、制服違う。」
「ってことは、誰か待ってるってこと!?」

なんて声も聞こえてくる。

「あの、誰を待ってるの?」

一人の女子がそう聞いた。

「西牧だよ。知ってる?西牧りか。」

「西牧さーん!」

たくさんの女子が押し寄せてきた。

え?え?え?

「外でカッコいい男子が待ってるよ!」

もしかして、佐川?

まさかね。

女子達に押されながら行くと、ホントのホントに佐川がいた。

どうして?何で?
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