叶わなくてもいいから、恋したい。
「先輩!」

私の学校はA、B、C棟がある。

A棟は一年、B棟は二年、C棟は三年が主に使っている。

だから、C棟に来たのはほぼ初めてぐらいで緊張した。

しかも、先輩が見当たらず探すのに苦労した。

「えっと、誰。」

「私、西牧りかと言います。椎名ちゃんの親友です。」

「あいつの。。。。」

「早速、質問します。元カノさんとデートをしたのは本当なんですか。」

「それはしてない。」

「会ったのは本当ですか。」

「この間、ばったりな。」

「お節介かもしれません。でも、椎名ちゃんを悲しませないで下さい。」

「勝手に勘違いしてるだけだろ。」

「椎名ちゃんは先輩が大好きなんですよ。」

椎名ちゃんの恋した顔が目に浮かんできた。

「大好きだから、別れるとか言ってるんです。」

先輩は無言で突っ立っている。

「どうか、誤解を解いてください。」

「…………俺はあいつと別れるのは嫌だ。」

「じゃあ……!」

「でも、ごめん。今は考えさせてくれ。」

「はい………」
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