別れても好きなひと
過去の悲しみ
5月。
私は毎年ある場所に来る。
寒い冬が終わってあたたかい春が来て。
花がたくさん咲き生き物の命が芽吹く時。

ここに来るのはもう3回目。

それは私が失った大切な命が眠る場所。
大きな悲しみと罪悪感が眠る場所だった。

小高い丘の上にある小さな公園。
ここは私と大悟の実家の近く。
私は小さな花束をベンチに置きその横に座った。
< 109 / 329 >

この作品をシェア

pagetop