別れても好きなひと
大悟はカットで学生を魅了する。
高橋くんはカラーを進め、私はメイクをしていく。打ち合わせ通り。大悟が作業しやすいように私はメイクの間にセッティングもしていく。大悟がカットした学生を今度は私がセットしていった。

一時間が本当にあっという間だった。

大悟は楽しそうにリズムよくカットをしながら学生や観客、見たばかりの学生の流行をそのなかにアレンジしていく。言葉がなくてもわかる。自然に大悟の考えややろうとしていることが私のなかに流れ込んでくる。

流れに負けないように私がメイクやセットを合わせると時々目が合う大悟は、頷きそれでいいんだと正解をくれた。大悟はやっぱりすごい。近くの人が吸い込まれる…。
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