別れても好きなひと
カラー剤をとりに裏の棚へ行くと後ろからすぐに大悟が来た。必要なカラー剤を手にした私は大悟と目を合わさず隣を通りすぎようとすると大悟が私の腕をつかんだ。

「次の予約、入ってるのか?」

「はい。」

「カウンセリングしたら俺がシャンプーするから裏で少し休め。」

「大丈夫です。」

「大丈夫って顔じゃない。さっき本当は倒れそうだったんだろ。」

「躓いただけです。」

「嘘つき。」
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