別れても好きなひと
あっという間の一時間だった。私と高橋くんが舞台裏で片付けをしていると大悟が舞台の上で挨拶を始めた。

「今日はお招きいただきありがとうございました。我々にとってもかなり刺激のあるショーでした。」

大悟はいつも以上に堂々としている。世界中の大きな舞台を踏んできた大悟は緊張すら感じさせない。

「ここで倉科さんに質問してもいいですか?」

「もちろん」

私と高橋くんは手を止めて大悟の質問コーナーを間近で見た。
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