別れても好きなひと
「もうひとりはスタイリストです。杉崎は私のアドリブについてこれる唯一無二の存在と思っています。私が考えていること、作り上げたいスタイルを今日もタイムリーに受け入れ、アレンジをあわせてくれました。彼女がいなければ打ち合わせとまったく違うことをする私のカットがまったくいかされずちぐはぐになっていたはずです。一匹狼タイプではないので、私にとっては杉崎も高橋も大切な存在です。」

大悟の言葉が心に刺さる。私だって同じだよ。大悟は唯一無二の大切な人。




店舗移動の届け出を出したことを少し後悔した。私がちゃんと自分の気持ちをコントロールできたら、大悟の片腕としてそばで輝く大悟をみられるのに…。

なんでちゃんとできないのよ…。

自分で自分を攻めながらステージでスポットライトを浴びる大悟をただ見つめていた。
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