別れても好きなひと
暑すぎる!

7月とは思えない猛暑日。私たちは海に来ていた。若いスタッフは水着。ビキニもいる。私は水着の上にもちろんショートパンツとTシャツという格好だった。

「先輩!泳ぎましょ!」
ビキニ姿の渚に誘われ私も波打ち際でばしゃばしゃと水遊びをする。渚は泳ぎが得意らしくどんどんと沖へ行った。

「泳がないの?」
水着姿の吉川さんに声をかけられた私は「得意じゃないんです。泳ぎ。」と返事をした。今は距離感がつかめずぎくしゃくしている大悟より吉川さんのほうがはなしやすい。

「教えようか?もっと水に体をつけたほうが涼しいよ。なんならつかまってもいいし。」
確かに砂浜も水がこないところはやけどしそうだし、水から出ている体が暑い。私は少しずつ深くへ行った。吉川さんは私から目を離さずに見ていてくれる。

「気持ちいいですね。」
「でしょ。」
私が吉川さんを見ると
「杉崎さんは笑ってたほうがいいよ。最近ここにしわがよってるよ?」そういって吉川さんは自分の眉間を指差す。
「そうですか?」
私が自分の眉間をさすると「嘘~」と吉川さんは無邪気に笑った。
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