別れても好きなひと
「ちょうど大悟は美容師として認められて海外研修のチャンスが来てた。なのに大悟は断ろうとしたの。私を放っておけなかったんだと思う。」
鮮明にその頃のことが浮かんで私は目を閉じた。
「ずっと一緒にいたから私にはわかった。大悟は私と離れないとこのチャンスを掴めず、私に囚われたままどこにも行けなくなるって。たった一度きりの人生を私が奪ってしまうんだって。」
「先輩…」
「最後まで私の手を離そうとしなかった大悟を突き放したのは私なの。傷つけて、無理やり背中を押したのは私。だから、大悟が今私をどう思っていてももう一度大悟の手を握り返すのは…許せないの。私自身が、自分を許せないの。」
「でもそれが店長の幸せかもしれませんよ?」
「3年間、どんな想いで大悟が努力してきたかわかる。だからこそ…私じゃない誰かと幸せになってもらうのが大悟の幸せなんじゃないかって…。私とやり直したら悲しみも苦しみもまた背負わせちゃうから。」
鮮明にその頃のことが浮かんで私は目を閉じた。
「ずっと一緒にいたから私にはわかった。大悟は私と離れないとこのチャンスを掴めず、私に囚われたままどこにも行けなくなるって。たった一度きりの人生を私が奪ってしまうんだって。」
「先輩…」
「最後まで私の手を離そうとしなかった大悟を突き放したのは私なの。傷つけて、無理やり背中を押したのは私。だから、大悟が今私をどう思っていてももう一度大悟の手を握り返すのは…許せないの。私自身が、自分を許せないの。」
「でもそれが店長の幸せかもしれませんよ?」
「3年間、どんな想いで大悟が努力してきたかわかる。だからこそ…私じゃない誰かと幸せになってもらうのが大悟の幸せなんじゃないかって…。私とやり直したら悲しみも苦しみもまた背負わせちゃうから。」