別れても好きなひと
私はちゃんと大悟と離れられるか…自分が耐えられるか…わからなかった。

それでも大悟の幸せがその先にあることを信じると一歩を踏み出せる。


「ん?莉子?」

大悟は1度目を開けて寝ぼけているのかまた目を閉じた。

私がほっとしてその場から離れようとすると「えっ」ぐいっと大悟に手を引かれすっぽりと大悟の胸に収まった。

眠る大悟の胸のなかで私は毛布で顔を隠し静かに泣いた。

泣くのはこれで最後。
お別れの時は笑顔で…そう心に誓いながら。
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