別れても好きなひと
大悟は一番遠い席に座っていた。

あの夜、私は大悟が起きる前に大悟から離れた。

そして翌日には大悟は自分の家へ戻った。

大悟もどうしたらいいかわからないようで、私のもう大丈夫という言葉に少し黙ったあと赤ちゃんのエコー写真をなでて「わかった」と言った。

それ以来は必要最低限の話しかしていない。

こうして離れていくんだと思いながら私は残された時間必死に仕事をした。

私が店舗移動することを常連客に知らせ、後輩には私が教えられるスキルを伝授した。
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