別れても好きなひと

ヘルプ勤務の最終日。

徐々に私は大悟の様子に違和感を感じていた。

この１週間、忙しいから表情が暗いのかと思った。
お客様から見えないところでため息ばかりなのも、疲れているからだと思ってた。

でもそうじゃなく感じる。

「渚ちゃん。」
私は昼食休憩で渚に声をかけた。

「店長、責任感じちゃってるんです。北澤さんの手の怪我は腱鞘炎で。店長、自分がハードワークさせたからだって…。それに気づけなかったことにも落ち込んでるんです。」
そういうことか。
「さすが渚ちゃん。教えてくれてありがとう。」
「私じゃないですよ。高橋です。私は又聞きなんで。」
「高橋君？」
「実は…そういうことです。」
「え～っ！？」
渚は可愛らしくはにかんだ。