別れても好きなひと
「莉子。愛してる。」

「……。」

「そばにいてほしい。」

大悟にそこまで言われたらもう自分の気持ちを止められない。今まで飲み込んできた言葉をとどめられない。

「私も愛してる。大悟のそばにいたい。もう離れたくない。」


私の言葉に大悟は私を強く強く抱き締めた。

懐かしい大悟の温もり。今まで心につかえていたものが簡単に消えていくのを感じた。

お互いの息使いを感じながら私たちはゆっくりと肌を重ねた。まるでお互い今を確かめるようにゆっくりとゆっくりと。

幸せすぎて涙が止まらない私を大悟はずっと抱き締め離さないでくれた。

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