別れても好きなひと
作業が終わると大悟は私の部屋へ来た。部屋へ入るなりすぐに赤ちゃんのエコーの前に立ちなにやらがさごそとしている。

私は簡単な夕食を作りはじめた。

夕飯が完成すると大悟はいつの間にかソファで眠っていた。大悟に毛布をかけてからエコーを見るとそこには小さな花が飾ってあった。黄色の小さな花。

「忘れた日なんてなかった。莉子のことも、この子のことも。」

大悟の声に振り向く。

大悟の大きな変わらない愛を感じて私は涙を我慢できなかった。

泣き出す私を大悟はソファに引き寄せる。

大悟に包まれながら失った命への悲しみも想いでもふたりで背負ってきたことを改めて感じた。離れていても思っていることは同じだった。。。
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