別れても好きなひと

「あの時、莉子が俺の背中を押してくれたこと、感謝してる。いろんな想いで…だったんだろうなと思ったら頑張らないわけにはいかなかった。だからこそ、今の俺がいると思う。」

初めて大悟は私に３年前のことを話はじめた。

「莉子の気持ちや考えがわかるからこそあの時はどうしたらいいかわからなかったんだ。莉子にかける言葉すらわからなかった。辛い思いさせてごめんな。」

大悟の胸のなかで首を横にふる。

「３年。長かったけどあっという間だった。がむしゃらに毎日過ごしてたんだ。全ては莉子のところに帰るためだった。」

大悟は少し体を離し大きな手で私の涙をぬぐい私をまっすぐにみる。

「ずっと俺の気持ちは変わらない。莉子が好きだ。莉子を幸せにしたい。やり直したい。莉子を幸せにするのは他のだれでもなく俺にさせてほしい。」

「……大悟が…好き。」

泣きながら必死に言葉にすると大悟はそっと私の唇に唇を重ねた。