別れても好きなひと
病院のロビーで待っていると大悟が入り口から入ってきた。私が立ち上がり大悟の方に向かおうとすると「動くな」とまた低い声で大悟が駆け寄ってきた。

「ごめんね、待たせ…」私が謝ると言葉を遮り大悟が私を抱き締めた。

「心配すんだろ。本当に。焦っただろ。」
大悟が少し震えていて、私は大悟を強く抱き締め返した。
「ごめんね。」

しばらくそうしたあと大悟のマンションで大悟は荷物をまとめ私の部屋に来た。しばらく泊まるらしい。

大悟は私が動こうとすると鋭い視線を送ってくる。

結局何もかも大悟がしてくれて、私はくすぐったいほどに大事にされていることを実感するだけだった。
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