別れても好きなひと
「でも彼は私を見てはくれなかった。見ようとしてくれたけど、心は開いてくれませんでした。スパッとニューヨークの仕事を断って日本に帰る前に彼が唯一心を開けてくれた日があって…その時に彼があなたのことを教えてくれました。彼が帰る理由も。」

「……」

「悔しかった。諦めようともしました。でも彼の才能を諦めきれないんです。あなたが私の最後の砦なんです。」

深々と頭を下げる彼女に私はどんな言葉をかけたらいいかわからなかった。




私が今、大悟のためにできることはなに…?
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