別れても好きなひと
私たちはお墓に来ていた。お父さんもお母さんも眠るお墓。

この墓地には赤ちゃんのお墓もある。


今日は3人に報告をしに来た。
お腹の大きな私に代わり大悟がお墓の掃除や水かえをしてくれる。

私はお花を手向けた。

そして二人ならんで手をあわせる。

私より長く手をあわせる大悟。目を閉じてなにやら報告することが多いみたい。

大悟は目を開けると私を見て微笑んだ。

そしてしゃがんで私のお腹に話しかける。

「いいか。ここにはお前のおじいちゃんとおばあちゃんと兄弟がいるんだ。大切な家族だ。生まれたらもう一度来ような。分かるよな。聞こえてるか?」
< 265 / 329 >

この作品をシェア

pagetop