別れても好きなひと
「叶う夢って書いてかなむ。」
「かなむ?」
「自分の夢を見つけていつか叶えてほしいって名前。」
「叶夢。いい名前だね。」
大悟は今までに見たことがない穏やかで優しい目で叶夢を見ている。

「本当は俺たちの想いも入ってるんだ。」
「?」
「この子が俺たちの夢、叶えてくれただろ?」

その言葉に失った命や今までのことが一気に思い出されて涙が溢れた。

大悟は私の肩を抱く。

「莉子、ありがとうな。」
「私こそ、ありがとう。」
私たちは3人でぺったりと寄り添い幸せをかみしめた。
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