別れても好きなひと
リビングのソファで横になる彼の姿にぐっとくる。
大悟がまだいた。

それだけでじわっと心があたたまった。

3年前とほとんど変わらない姿。じっと大悟を見るとあの頃のことを思い出す。

私たちにはあきらかに距離ができてしまった。

こうしたのは自分なのに…。

いけない。これ以上大悟を見ていたらだめだ。私はくるりと体の向きをかえてキッチンへ向かった。

コップに水を入れてくすりを飲もうとすると「こらっ!」と大悟の声がした。
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