別れても好きなひと
お昼休憩は大悟と会わないように近くの公園で食べることにした。とはいっても食欲なんて全くなくて、コーヒー牛乳片手にぼーっとしているだけ。

ぼーっとしながらあの日を思い出す…。

別れて別々の道を歩み始めたあの日を…。

大好きな大悟と別れたあの日も私は大悟が好きだった。愛していた。本当は…。

別れをきりだしたのは私。最後の最後に『分かった』と涙目で困ったように、悲しそうに言った大悟の声や表情が忘れられない。

私は大悟を傷つけた。

こんな私にはもう大悟を愛することすら許されない。
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