オネエが野獣になるときは。


「ここが私の家よ」


仕事も終え、久我社長と一緒に帰宅することになったんだけど


「でっか…」


なにこの立派な家!さすが社長…


「支倉ちゃんの部屋はここね?キッチンとかリビングとかは好きに使っていいから」

「は、はい…」


どこもかしこも私の家と違いすぎて圧倒される。

今日からここが私の家か…なんか変な感じ。


「支倉ちゃんの荷物は全部部屋に置いてあるから、荷ほどきしておいで。その間に夜ご飯作っちゃうわ」

「え、社長料理もできるんですか…?」

「当たり前じゃない!ひとり暮らし歴何年だと思ってんのよ」


さすが女子力モンスター…

女の私より女っぽいよ社長。


「と、その前に着替えなくちゃ」


そう言って社長はきっちり締めたネクタイに手をかける。


―――シュルッ



「…ん?」

「あ、いや、荷ほどきしてきます!」


ネクタイを緩める姿が色っぽくて思わず見とれた、なんて絶対言えない…
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