オネエが野獣になるときは。


「昨日徹夜でゲームをしてまして…」


支倉 蜜香(ハセクラ ミツカ)、24歳

特別可愛いわけでもなければスタイルがいいわけでもない。


「ゲームぅ!?睡眠削ってまでゲームなんてやめなさいっ!!」

「すいません…」


上司がオネエということを除けば、どこにでもいるいたって普通のOLだ。


「分かればよし。さぁ、今日も仕事頑張るわよー!」


一言私に喝を入れた後、社長は颯爽と去っていった。


久我 唯斗(クガ ユイト)、32歳

まだ30代という若さで社長まで登りつめた、いわゆる超エリート。

おまけにあの美貌と強烈なキャラクター

社内の注目を浴びないわけがない。



「久我社長、相変わらず美しすぎる…」

「あの人なら男の俺でも抱けるかも」


去っていった社長の後を見つめながら、同期の2人はいきなりそんなことを呟いた。


「いくら社長が美しいっていっても…虎ちゃんがあの人を抱いてる姿は想像したくない」


同期の女の子の中でも一番の仲良し、三郷 ゆめ(ミサト ユメ)

そして問題発言をしたのが篠宮 虎竹(シノミヤ コタケ)


「蜜香、いい加減そのあだ名やめてくれよ…んで想像もしないでくれ」

「虎ちゃんは虎ちゃんじゃん。いまさらなに言ってるの?」

「あんたに久我社長なんか抱かせないわよ!」


ゆめと虎ちゃんと私

入社当初から、休憩時間とかはこの3人で一緒にいることが当たり前。
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