一途彼女×S系彼氏
呆然としながらも
ふつふつと怒りが
込み上げてくるのが分かった。


私はゆっくりと
その二人に近づいた。


「…蓮。」


怒っているはずなのに
私から出た声は
虫が鳴いた様な、か細い声だった。


だけどその声を拾った連と女の子は
私を見て目を見開いた。


「り、莉子、なんで…。」


なんで…?


「なんではこっちのセリフでしょ!?
その子誰なの?
今日も練習じゃなかったの?
どうして?
…いつから、浮気してたの?」


威勢が良かったのは最初だけで
言葉を紡ぐにつれ
私の心はずたずたになって行った。


気付けば頬には
涙が伝っていた。


そんな修羅場に
周りが黙って見ているわけもなく
ギャラリーが集まりだした。
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