一途彼女×S系彼氏
「ご…っごめんなさい!」


私が謝ったのと同時。
先輩の1人が拳をあげて
こっちへ向かってきた。


「あんま調子乗ってんじゃねーぞ!」


気迫のすごさに
思わず目を瞑ってしまったけど、
聞こえたのは殴られるような
鈍い音ではなくて
パシっという音だった。


瞑った瞼を開くと
私の視界に入ったのは
颯人が先輩の拳を
片手で受け止めていて、
更に反対の手は拳を作り
先輩の目の前で寸止めされていた。


「…そっちこそ、
これからまた莉子に手出したら
ぶっ飛ばすよ。」


そう言い放った颯人は
先輩を後ろに押し、
その勢いで倒れ込んだ先輩を
他の2人が担ぐようにして
逃げて行った。


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