一途彼女×S系彼氏



「ん…。」


目を覚ますと
温かいものに包まれていて、
ちらっと上を見ると
颯人が私を抱きしめたまま
眠っていた。


辺りは暗くなっていて
結構な時間寝てしまったみたい。


今、何時だろう…。


確認しようと思っても
手元に携帯もないし
颯人の部屋には時計がないから
諦めた。


まだ、この温もりを感じていたいし。


私を抱きしめている
腕の隙間から、
自分の腕を颯人の背中に回して
私も颯人を抱きしめる。


程よく筋肉がついた胸に
顔をうずめて思い出す。


久し振りに感じた甘い痛み。
熱い吐息。
私に触れる颯人の手。


全部が愛しくて、
幸せな時間だった。


私は少し上に体を動かして
寝ている颯人に
チュッというリップ音を立てて
触れるだけのキスをした。
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