一途彼女×S系彼氏

「あー、莉子だ。
莉子の匂いがする。
俺もう死ぬかと思った莉子不足で。」


久し振りに感じる颯人の体温と
そんな甘いセリフが
耳元で囁かれたせいで
私の心臓はこれでもかって位
早く脈を打った。


「…私も。颯人不足だったよ。」


さっきデコピンされたことも
不機嫌に見えた颯人の事も
すっかり頭から飛んで
素直に本音を言う事が出来た。


久し振りに会ったからかな?
もっと近くに颯人を感じたくて
隙間が無くなるほど
ぎゅーっとくっついた。


「なに、莉子ちゃん誘ってんの?」


軽く肩を押され、
距離が出来たことで見えた颯人は
この上なく楽しそうな、
イジワルな顔をしていた。


「さ、誘ってない!!」


身の危険を感じた時にはもう遅い。


「絶対誘った。責任とってね?」


ニヤッと口角をあげた颯人に担がれ、
私は颯人にされるがままだった―――
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