一途彼女×S系彼氏
はじまり
その日からまた
目まぐるしい日々が続いた。
会えるのは月に数回。
しかもゆっくり出来る時間は
あまりなかった。
学年が上がるごとに増える研修。
慣れない患者さんとの対応で
帰ったらすぐに寝る生活だったから
自然と颯人との連絡を取る時間が
減っていた。
だけど、心の距離は
離れることはなかった。
同じ目標に向かって歩いていたから。
大学に合格した日の
颯人のあの言葉。
『俺の夢、つまり未来は
莉子がいて完成するんだ。』
『だから、これからもずっと
俺の隣にいてよ。』
何度も辞めたい、
私には向いてないかも。
そう思ったけど、
この言葉があったから
頑張って来れた。