一途彼女×S系彼氏
私を抱きしめる
颯人君の背中に腕を回し
力を込めた。


「…本当は最初から好きだった。
でも、別れてから
たった3ヶ月くらいで
他の人を好きになったなんて、
軽いって思われそうで
認めたくなかったの。」


今まで言えなかった言葉が
すらすら出てきた。


それはきっと颯人君も
本音を零してくれたから。
私に素直になる魔法を
かけてくれたかのように。


だからもう一度伝えるよ。


「…颯人君が好きです。
大好きです。」


私の言葉を聞いて
小刻みに身体が震えている。
もしかして泣いてる?


そう思ったのも束の間。
私から離れた彼は



「やっと言ったな。
遅-んだよ、バカ。」


悪魔のように笑った。
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