ナツマツリ


角度を変え、何度も口付けを繰り返す侑。


水音混じりのリップ音が鼓膜に届く度、羞恥に胸が震える。


最後にちゅ、と。啄むようにして唇を合わせると、あたしの下唇を舐め上げた。


「ゆ、」

「あー…、まじ早く結婚してぇ。」

「な、なんで。」

「もっとナツに触りたい。」

「んなっ…!」


よく恥ずかしげも無くそんな大胆な台詞を吐けるなコイツ…!


そんな攻撃をまともに受けたこちらのダメージは計り知れない。羞恥に茹蛸状態である。


と。

「で。」

「………なに。」

「髪変えんの?」

「うー…ん、悩み中。」

< 101 / 232 >

この作品をシェア

pagetop