ナツマツリ


そう。元々軽い気持ちで雑誌に目を通していた訳なのだけれど。


たまにはイメチェンするのも、いいのかもしれない。


「侑は、この中だったらどれがいい?」


指を目ぼしいページに滑らせ、彼の意見を聞こうとチラリ、窺い見る。


すると。

「ナツだったら何でも似合うだろ。」

「えー…、」

「何だよ。」

「真面目に答えてよ。」

「俺はいつでも大まじめですけどー。」

「えぇ。」


ジト、とした視線で対抗するも敢え無く失敗。


その答えが一番困る、というのを彼は分かっていないと思う。

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