ナツマツリ
「ふふ、勿論ですよ。」
大型のミラーに映り込む微笑みを浮かべた美容師のお姉さんは、着々と準備を進めていく。
「カラーも変えますか?」
「あ、えっと、髪色はこのままで…。」
「畏まりました。」
実はこの色、侑のそれと似ていて結構気に入ってたりするんだよね。
流れるような動作の中、チラリチラリ、と。何度も鏡に視点を合わせては期待に胸を弾ませた。
―――――――――――――…
「ただいまー…。」
と言っても、侑のマンションなのだけれど。
新しい髪型は、前髪を斜めに流したふんわりボブ。