ナツマツリ
/cooking
「あー…、いい匂い。」
「ちょ、侑、動けない…!」
夕暮れ時。俺の部屋のキッチンで料理に奮闘するナツを背中から抱き締める。
腹部に腕をまわせば、擽ったそうに身をよじった。
「料理、できない…!」
「ガンバッテ。」
「む、無理!一旦離れて、」
「やだ。」
ナツの中毒性って恐ろしいな。
何しろずっと欲しかったこいつが俺の恋人になったなんて、今でも信じらんねーんだから。
「…俺、幸せ。」
痩躯にまわす腕に力を込めて、頬をナツのそれに擦り寄せた。
「なに、侑。今日やけに甘える。」