ナツマツリ


ふわり、としたボブの髪を優しく掻き上げ、露わになった額に口付けた。


「…またキスした。」

「イヤ?」

「嫌、じゃ、ないけど……。」

「ツンデレめ。」

「ツ、…!?」


これ以上茶々を入れれば、ナツの作業が全く進まないだろう。俺のせいだけど。


そう踏んだ俺はクスリ、微笑をこぼしてリビングへ向かった。



―――――――――――――…



暫く経っただろうか。


分厚い医学書に目を落とし、ずり落ちる眼鏡を掛け直していると。


「…、シチュー?」

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